【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
勇凛くんの部屋は段ボールがあって、部屋のものがだいぶ整理されていた。

「なんか寂しいな」

「そうですね」

その時、目に入った。

──人生ゲーム

「勇凛くん!人生ゲームやろう!」

「あ、いいですよ」

私が入院していた時以来結局やってなかった。

前と同じコマを使って、ルーレットを回して進む。

あの時を思い出す。

まだ結婚の実感も湧かなかったし、むしろやめようともしていた。

今は、結婚してよかったって思える。

「あ……」

私が止まったところに書いてあったのは、『こどもが生まれた』。

あの時は、産もうなんて微塵も思ってなかった。

でも──

「私、こどもほしいかも」

そう思えた。

勇凛くんとの間に。

今は厳しいけど。

「沢山じゃなくていいので、俺もほしいです」

二人で見つめ合って、少し笑顔になった。

そのあとも人生ゲームを続けて。

無事に二人ともゴールした。

山あり谷あり。

でもきっとゴールにたどりつける。

そう信じた。

***

そしてとうとうその日がきた。

「川崎さん、元気でね~!」

今の会社の最終出勤日。

色んな社員に声をかけられた。

「お世話になりました」

そういって挨拶巡り。

すると視線を感じた。

森川さん。

「なんかあったら連絡して。俺はまだかかるけど、繋がりはあるからさ」

「はい……。ありがとうございます。心強いです」

森川さんには申し訳なさでいっぱいだけど、すごく助かる。

「じゃあ、またあそこで……」

そして私はこの会社を去った。

平凡なOL卒業。

次は大企業の副社長秘書。

気合を入れた。
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