三十路の社畜OLは出会った翌日に八才年下男子と結婚しました
店のトイレに行こうと立ち上がり、廊下を歩く。

すると、さっきのバイト君がいた。

今度は酔っ払った男性客に絡まれている。

その客はバイト君に向かって皿を投げつけた。

皿はバイト君は当たらず、運良く割れずに私の方へ転がってきた。

「申し訳ありません!」

バイト君は客に謝っている。

私は皿を持ってバイト君のところに行った。

「あの、これ……」

私がバイト君に声をかけると、目を見開いた後、目を伏せて申し訳なさそうにしている。

「ありがとうございます」

そのまま私はトイレに行けばいい。

──はずなのに。

「何があったの……?」

聞いてしまった。

「注文したものと違うと怒ってて……。間違ってはないんですけど、酔ってるので、よくあります」

「そうなんだ……。気をつけてね」

「ありがとうございます!」

バイト君は眩しい笑顔を向けた。



それだけだったんだ──
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