【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

人事に必要書類を提出した。

興味津々な人事部の先輩。

「え!旦那さん、二十二歳!?」

「声が大きいです!」

「ごめんねー!びっくりして。こんな若い子と結婚なんて……どんな馴れ初め?」

「すみません。これ以上は……ちょっと。じゃあ宜しくお願いしまーす!!」

私は逃げた。

この出会いは偶然か運命か。

よく分からないけど、面白がって覗いて欲しくない。

* * *

その後急いで駅に向かった。

──慶王大へ

テレビでしか見たことない場所。

勇凛くんはどんなキャンパスライフを送っていたんだろう。

勇凛くんの今取り巻く環境。
遥かに想像を超えていた。

でも私は目を逸らせないんだ。

* * *

慶王大の前に私は立っている。

華やかな学生たち。
ブランド物のバッグ、服。
今の私でも買えない。

私は待ち合わせのカフェに向かった。

大学生達で溢れている。

そこに座る、地味なOL。
身につまされる。

待つこと数十分。

「七海さん、お待たせしました!」

勇凛くんの澄んだ声。

勇凛くんの方を向くと、まるで天使のように見えた。

穢れなき魂というか。

その時、カフェの女子学生の視線は勇凛くん一直線だった。

やっぱりモテるんだろうな……。

「七海さん。ちょっと人多いですね……。場所変えましょうか?」

「うん……」

今度は私に向けられる針のような視線。

私たちはカフェから出た。

「凄いね……慶王大。別世界だよ」

勇凛くんは複雑そうな顔をした。

「他がどうかよくわかりませんが、俺はサークルとかも入ってないですし。講義とバイトだけでしたよ」

普通の大学生が楽しむ大学生活ではなかったってことかな。

「勇凛くんって、あんな大企業の息子さんなのに、なんでバイトしてるの?」

そんなことしなくても、お金はたくさんあるはず。

「……俺、この世界に染まりたくないんです」

勇凛くんの瞳は真剣だった。
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