【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「染まる……?」

勇凛くんは頷いた。

「俺は自分の足で生きていきたいんです。親の所有物のようにはなりたくないんです」

陽が少し傾いてきて、勇凛くんを照らした。
勇凛くんが輝いて見える。

「兄たちのように生きるのは嫌なんです。今までは経済的理由で親の決めた学校に行ってますが、卒業したら、自分の自由に生きたいんです」

勇凛くんは私を見た。

「結婚も……自分の決めた人としたかったんです」

胸が高鳴った。

「うん……。話してくれてありがとう。嬉しい」

涙が出そうになった。

「なんで私なのかな。いまだによくわからないよ。それだけは」

勇凛くんは私の手を握った。

「初めて会った時、あなたがいいと思ったんです。それじゃダメですか?」

ダメじゃない。
ただ自信がない。

「七海さん。自分では気がついてないかもしれませんが……とても魅力的です。今まで会った女性の中で一番惹かれました」

自分ではまったくわからない。

「大袈裟だよ」

「他の誰がどう思っても、俺にとって七海さんが一番なんです」

勇凛くんの握った手に力がはいる。

勇凛くんの気持ちが伝わる。

自信はないけど、勇凛くんの気持ちは信頼できる。

「勇凛くんありがとう。私も、今まで出会った男の人の中で、勇凛くんが私のことを一番大切にしてくれている。本当に信頼できる人だよ」

二人の手が硬く握られる。
絆を深めるように──

「早く家を決めましょう」

「うん」

「あと……」

「うん」

「これからラウンド2行きませんか?」

「──え?」

予期せぬ誘いだった。
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