【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
「13時にアポイントを取っている林勇凛です」

勇凛くんが受付に言うと、受付嬢は内線をかけていた。

「最上階へどうぞ」

最上階……?

たじろいだ。

「七海さん、行きましょう」

勇凛くんは顔色一つ変えずにエレベーターに向かった。

エレベーターに乗って、迷わず最上階を押す勇凛くん。

「今までここに来たことあるの……?」

「はい。何回か」

今日は勇凛くんがいつもより逞しく見える。

私は勇凛くんの手を握った。

勇凛くんも握り返した。

そして最上階に着いた。

扉が開くと、重厚感があるフロアが広がっていた。
気圧される。

まるでラスボスの直前にいる、プレイヤーのような気分だ。

勇凛くんについていく。

大きな扉の前に立つ。

勇凛くんがドアをノックした。

暫く待つと──

「入れ」

低い声が響いた。

怖い!
足がすくむ。

勇凛くんは私の目を見て頷いた。

そしてゆっくりと扉を開いた。

──そこには

勇凛くんとそっくりな、大人の男性が大きなデスクチェアに座っていた。

勇凛くんとも勇哉さんとも違う、オーラを放っている。

風格が、副社長を物語っている。

「勇凛。久しぶりだな」

射るような視線。

それが私にも向けられた。

「君、名前は?」

「な、七海と申します」

勇凛くんのお兄さんは暫くすると立ち上がった。

「私は林勇輝(ゆうき)

勇輝さん──

「海外のオフィスにいる父の代わりにここにいる」

勇輝さんは勇凛くんを厳しい目線で見た。

「勇凛、なぜ無断で籍を入れた」

ズキっと胸が疼いた。
私はとんでもないことをやらかしたんだということを痛感した。

「兄さんの許可が必要なんでしょうか」

勇凛くんは変わらずお兄さんを見据えている。
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