前世王子アイドルグループ~僕たちは君の一番星になりたい☆。.:*・゜

*ルミナイと合同会議

 全員が編集部屋に集まる。まずは例のルミナイと僕の動画を見てもらうことになった。

「ははは、いつきんの動き面白い!!」
「それ、イカじゃなくて、可愛いワカメみたい」

 しーおんくんとみずっきくんも笑いながら「僕だったらイカはこうするかなぁ」「まず手で脚をニョロニョロさせて……」と、動きを再現していた。唯一、れんくんだけが笑わずに真剣な眼差しで動画を見つめていた。

「葉月、すごく馴染んでいるな。生き生きしてる……」と、どこか寂しげな様子も感じるような言い方をしたれんくん。

「いや、大丈夫だよ! いつきんがプリレボを脱退してルミナイに移籍するなんてことはないから」

 れんくんの言葉の深いところまで理解しているようなそたくんの発言。

「僕がプリレボを脱退? ルミナイに移籍? どういうことですか?」
「れんくんは今、いつきんが移籍する想像をして、寂しくなっちゃったんだよね?」

 みずっきくんがれんくんに確認の質問をした。

「……うん」

 そうだったのか……。

 今のれんくんの言葉と表情でそこまで分かるのがすごい。というか、僕がいなくなる想像をして今れんくんは、しゅんとしている? 

胸の辺りがじんわりとしてきて、あたたかいものが染みてきた。

「れんく~ん」

 気持ちがおさえきれなくなって僕はれんくんをぎゅっと抱きしめた。

「僕は、僕はずっと、いさせてくれる限り、解散しない限り、プリレボにいたいです~」
「ちょっと、痛い……」
「あぁ、ごめんなさい!! そうれんくんが思ってくれることが、すごく嬉しくて、つい」

 れんくんの「ふっ」と小さく笑った声が耳元でした。

 わあわあした後、そたくんが真面目な顔して言った。

「じゃあ、本題に入ろうか。いつきんの、さっきのルミナイとのコラボについての話を詳しく聞かせて」
「はい、あの、実はプリレボとルミナイの関係について前から考えていることがありまして……前に会話でルミナイの話題が出た時には言えなかったのですけれど、実はコラボしてほしいなとひっそりと思っていましてですね……」

「前から思っていたの? なんで言えなかったの?」
「いや、あの……お互いライバルでよく思っていない雰囲気だったもので」

 みずっきくんの質問に僕はそう答えた。続けて僕は語る。

「コラボすれば、ルミナイのファンがプリレボの魅力を知り、応援してくれるようになるかもだし、ふたつのグループがコラボをしているところをファン個人としても、見てみたいからです。そして、敵になるよりも協力する方が良いなぁと思いまして」

「コラボかぁ……いつきん、もう一回動画流してもらえる? 少し感じることがあって」
「しーおんくん、分かりました!」

 僕はもう一度、ルミナイと僕の動画の再生ボタンを押した。

「いやぁ、それにしても再生回数伸びるの早いなぁ。今日アップしたらしいのに、もう五万回超えてる」

 そたくんが顎に手をやりながら呟く。

「プリレボもさっきアップしたばかりなのに、そろそろ三万回に行くので、再生回数では負けてはいません!」

 僕は自信満々に言った。

 動画を見終わるとしーおんくんは「やっぱりそうか……」と言いながら頷いた。
「何か分かったんですか?」

 視線がしーおんくんに集まる。

「うん。ルミナイは騎士、そしてプリレボは王子。つまり、動画を見る限り、常に守られているんだ。いつきんが」
「僕が守られている?」
「ちょっとリモコン貸して?」

 しーおんくんは十五分ある動画の、七分辺りで止める。

「例えばここ、いつきんがつるんと転びそうなところをよく見てて? 何もなければいつきんが背中を強打するところだけど」
「あっ、ルミナイのメンバーが背中を支えてくれて、僕が転んでいない」
「そう、あとはここも」

 プライバシーのためモザイクがかかっている集団とぶつかりそうになった時もルミナイのメンバーが手をさっと僕の前に出し、ぶつからないようにしてくれた。あと、立ち上がろうとした僕の前に手をさっと出し、僕は自然とその手をつかみ立ち上がっていた。

「まさに、騎士と王子。とても自然だから僕とルミナイの動き、違和感がゼロですね」
「じゃあ、問題。こういう関係のプリレボとルミナイがコラボした動画が世間に広まれば、どうなる?」
「広まり新しい層のファン獲得にも繋がります! 例えば、主従関係が好みの人たちや、あとは……ライバルだけど助け合う関係を好む人たちなどでしょうか?」
「いつきん、正解! それは全員王子系であるプリレボだけでは出せない味だよね」
「はい、出せません。僕は、見たいです!」

 最終決断をするのは、リーダーであるそたくんだ。僕はワクワクしながらそたくんを見つめた。

「たしかにいいんだけど……前にルミナイのリーダーであるアラシと強めな言い合いをした時から、すれ違うのも気まずいんだよなぁ」
「えっ、そたくん、喧嘩したんですか?」
「うん。プリレボとルミナイ、イベント一緒になった時があってさ、ケータリングのカップアイスが残りひとつしかなくて、どっちが食べるかで揉めたんだ。ちょうどイケメンランキング、少しの差でアラシに負けて二位になった時だったから、悔しさも沸いてきてさぁ……」
「そんな出来事が……」

 まだ僕の知らない大きな出来事もあったとは!

「アラシとはいまいちな関係だけど、ふたつのグループが組めば業界も盛り上がりそうだなぁって、動画見て感じたんだよなぁ~」

「じゃあさ、リーダー同士が無理なら、いつきんとショウくんがふたつのグループで話し合いが出来るように仕組めば良くない?」

 みずっきくんが人差し指をポンと前に出すと、アイデアを出した。

「仕組む?」
「仕組むというか、ただ約束するだけだけどね!」

 話し合った結果、全員の許可をもらった。

『ショウくんこんにちは! こないだちょっとだけしていたコラボの話、こっちは大丈夫そうだよ』

僕は早速連絡先を交換したばかりのショウくんにメッセージを送った。すると、

『こっちも大丈夫だよ! いつどこに集まるか決めよう!』

と、前向きな返事をくれた。


 そうして僕たちはドキドキワクワクな合同会議が行われることになった。



 そして合同会議当日。僕たちはルミナイのメンバーが住む家の前に着いた。

 ルミナイ邸は黒くてカッコいい雰囲気の家だった。プリレボ城ほどではないけれど、結構大きくて立派な建物。敵が来ても心配なさそうなくらい頑丈そうな黒い柵に家は囲まれていた。

「いつきん、おはよう!」
「わぁ、ショウくんおはよう!」
「中へどうぞ!」

 プリレボメンバーは出迎えてくれたショウくんのあとについていった。建物の中も黒を基調とした、カッコいい雰囲気だった。途中、武器、衣装庫と書かれた部屋も通った。

 気になりすぎる部屋。あとで見学させてもらえないかな?

 会議室に入った。黒を基調とした大きな円卓テーブルがある。ルミナイメンバーは座らずに部屋の壁際のところで背筋の伸びた良い姿勢で並んで立っていた。

まさに騎士そのもの!

なんとなく僕たちも反対側の壁際に並んだ。

ルミナイメンバーは全員、黒いピッタリめな黒い服を着ている。対して僕たちプリレボは白くてフリルの入ったふんわり王子系の服装。バランスがとても良い。集合写真すぐに撮りたい! 王子たちは前列に並べた椅子に座り、騎士たちは後ろに立つ。イメージがどんどん湧いてくる。

というか、リーダーは仲悪いし、ここは僕かショウくんが仕切った方がいい雰囲気? とりあえず、メンバー紹介かな? 少しでも親しい雰囲気になってほしいから、普段呼ばれている名前で良いかな?

「左から、そたくん、れんくん、しーおんくん、みずっきくん、そして僕の名前はいつきんです。よろしくお願いします」

「こっちは左からアラシ、タケル、ヤマト、ハヤト、そして俺はショウです。よろしく!」

基本全員クールな騎士たち。さらに細かく分けた、僕から見た第一印象はこんな感じ。

アラシくん→はっきり思ったことを言う騎士のリーダー
タケルくん→メガネが似合う頭が良さそうな騎士
ヤマトくん→小さな異変にすぐ気がつく騎士
ハヤトくん→この中では一番明るい騎士
ショウくん→ふんわり系の騎士

「じゃあ、座ろうか」

 ショウくんに誘導され、全員席に着く。
 
「では、これから第一回ルミナイプリレボ合同会議を始めます!」

「第一回ってことは、二回目もあるんだ?」
「あっ、それはまだ未定ですが……」

 ハヤトくんの質問に対して迷わずに答えた。

今日上手くいって、第二回も開催されればよいのだけど――。
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