The story of a girl (一人の少女の物語)
龍希は、あからさまに顔を背けると、海音の看病に再び、集中しようとする。


まるで亜儚が、その場に居ないかのように振る舞い、他の兄弟たちに、指示を飛ばし始める。

龍希「未樹、まだか。さっさと海音の薬を。」



「へいへい」と気の抜けたような返事をしながらもちらっと亜儚に視線を送る。

未樹「そんなんだから。
   お前は、愛想をつかされるんだよ。」



兄たちの間でオロオロし、必死に場を和ませようとする。

光「あ、あの、亜儚も朝ごはん食べる?
  今から、トーストを焼くけど...。」



光の声に覆い被さるように、弱々しいながらも必死な声で呼ぶ。

海音「亜儚!こっちに来てくれ...!僕のそばにいて.....お願いだ.....!」

海音だけが、すがるように手を伸ばそうとするが、体が言うことを聞かず、力なく、シーツの上に落ちた。



亜儚「海音にぃ!」

海音の元に歩み寄ろうとする。
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