A lone wolf
オロオロしながら、シーツをきつく握りしめる。

光「お兄ちゃん、なにか欲しいものはある?

  アイスとか、食べたいもの...。」


誰も階段から降りてきた少女の姿に気づかない。


いや、まずまず、意図的に視界から、追い出しているように見える。

彼らの世界の中心は、ただ一人。

苦痛に顔を歪める長男、


海音だけ。


まるでそこにいるはずのもうひとりの住人が、この家から、、、、



消えてしまったかのように。



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