A lone wolf
シルバーのグラスにはいった水を一気に飲み干し、

からになったそれを、静かにシンクに置く。


カチャリという、小さな音は、兄達の騒音によってかき消された。


空腹感と、それ以上の虚しさが胸に広がる。


自分がこの空間に居ないものとして扱われているのは、もう慣れきっていることなのに、



いつもの事なのに、



今朝は、奇妙なほど、棘のように心を刺した。




もうここにいる必要はないかと思い、自室に戻ろうとしたその時だった。

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