ガラスの告白
 周りでは会話をしながら手鏡で髪型を整える女子生もいれば、音楽や深夜ラジオなどの、趣味の話で盛り上がる男子生徒もいます。
 本来ならこの退屈な時間を誤魔化すため、アルバイト先でいただいた、雑誌や漫画などを読むのですが、生憎鞄に入れ忘れてしまい、時男は担任が来るまでの間、目を閉じ時間が来るのを待っていました。


 暗闇の中、安堵な気持ちで心はおだやかでありました。
 学校が終わり最後のアルバイト先で、なんて挨拶の言葉をかけようなどとも、考え事もできていました。
 しばらくすると、椅子の引きずる音に混じり、教室内の話し声が静まって行きます。


 担任教師の村上が現れたのだろうと、心構えで持つ中、日々聴き慣れた音に一瞬どよめきの声が混じると、時男も気になりゆっくり目を開いていました。
 クラスメートの視線は教壇に向けられ、同じように視線を向けましたが、前の席の者が立ち上がり遮っています。


 体格の良い担任教師の村上だけがはっきり観えましたが、それとなんとなく、制服姿の女性がその後ろを、歩いているようでした。
(何に注目しているのだろう?)
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