ガラスの告白
 時刻からして、両親は仕事にでかけていると思われましたが、一緒にに住んでいるようには思えませんでした。
 ただそれはなんとなくでしたが、少女からみられた動揺や建屋のおもむきから、伝わり感じたものでした。

 時男は違うっと、首を振りました。

 少女を職員室で見かけた時から、この時期に転校して来たことに理由があることを、わかっていたではないかと、自身を蔑(さげす)みます。

 辛い人生とは無縁で会ってほしいと願う反面。そのことを認めたくなく少女が特別であれば。 
 繊細で、穢れを知らないと言う理由を作り上げればなどと、そんな欲望から少女をガラスの姿に見せていたのだと認めていました。

 そこには、同じ様な境遇だと理解してしまうと、自身も辛くなる、ずるい考えも持っていました。
 そんなことも都合よく忘れ少女を思い近づく余り、幻想で描いたものとは違う、現実の世界に目にします。
 音楽室で肩や腕が触れ合った時から、時男の目には一人の女性として映る様になっていたのでした。

 しばらくバスが走りますと、学校前の停留所に差し掛かりました。
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