ガラスの告白
 それでもまだ迷いながらも、足を止めることなく歩き続けます。
 あとのことは考えられず、バスで向かうことを忘れ少女と歩み見た景色の中を、息を切らせながらも歩き向かわせていたのでした。

 少女の自宅に着きますと、それからどの様に声をかければいいのかと、迷う気持ちが生まれます。
 建家には呼び鈴は無く、声を掛けるにも、なかなか次の行動に移すことはできないでいました。


 建屋の中を気にし、周りを見渡しているあたりで、自身の行動に不安が訪れています。
 何気なく見た木製の表札には、薄ぼけた文字で鈴木と表示され、少女の川上と違う苗字に、改めて少女はこの家にご厄介になっているのだと感じました。

(本当に声をかけて良いのだろうか。母親と思われる女性が迎えに来たことや、泣いてたことは知らずに、早退したことだけ心配して……)

 声をかけるため、玄関となるう薄い木板の前に立つと、少子抜けするように反対側から、誰かが開いていました。
 顔を見合わせ鉢合わせになったのは、学校で見かけた女性でした。
 女性も驚き、視線を時男の胸元から表情に移していました。


 あの時は遠くのため顔などは確認できませんでしたが、服装の色や感じがそれと同じです。
 赤紫の上着の下は、柔らかいナイロンでできた白いシャツ。赤いタイトなスカートを履いていました。
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