だからアナタに殺されたい。
5.怒りの理由と伸ばす手
「騎士様たちは一体何を言っていたの?」
ローゼルの怒りの原因を詳しく知りたくて、私はマックスにそう問いかけた。
その問いかけに伏せられていたマックスの視線が再び上がる。
それから言いづらそうに口を開けたが、そこから言葉が紡がれることはなかった。
私から視線を逸らし、辛そうに、悔しそうに、様々な感情を滲ませた表情を浮かべるマックスを見て、私は思った。
マックスは口にするのもはばかられる言葉だと言っていた。
きっと自分の口からは言いたくない言葉なのだろう。
それならば無理に聞く必要はない。
ローゼルのあの行動にも、きちんと理由があったのだと知ることができたのだからそれでもう十分だ。
あとはその事実から話を上手く広げれば、ローゼルだけではなく、ローゼルに倒された彼らにもなんらかの罰が与えられるはずだ。
そうすれば、少しはローゼルの騎士団での生活も穏やかなものになるだろう。
止めていた作業を再開し、マックスの処置を進める。
早く治るようにと私がオリジナルで調合した薬を塗り終え、顔をあげると、またマックスと目が合った。
「…マックス?」
何か言いたげな瞳で私を見つめるマックスに、首を傾げる。
すると、マックスは意を決したように口を開いた。