だからアナタに殺されたい。
「アイツらはアナタの…エレノアさんのことを侮辱していました。ローゼルさんと仲がいいという理由だけで」
「…っ!」
今度こそマックスから紡がれたローゼルの怒りの理由に、私は大きく目を見開く。
ローゼルが私のために怒っていたなんて。
その後続いたマックスの話によって、私はあの日のローゼルのことを全て知った。
最初はローゼル自身が侮辱されていたが、本人は無視していたこと。手を先に出したのは彼らだったこと。
ローゼルはそれを全て受け流していたが、私が侮辱されたことによって、反撃したこと。
あの日のローゼルは確かにやりすぎだったが、決して「気に入らないから」と一方的に彼らを倒したわけではなかったのだ。
「本当は俺が止めに入るべきだったのに、何もできなくて…」
申し訳なさそうに下を向き、悔しそうに肩を揺らすマックスに、胸が苦しくなる。
それができていたらローゼルは今あんな辛い立場にいない。
ローゼルを苦しませている彼らは貴族なのだから。
だが、このままではきっと一生ローゼルの心は穏やかにはなれない。
マックスの話を聞きながら、私は静かに意思を固めた。
私が彼を救ってみせる。
例え、ここを辞めることになったとしても。