だからアナタに殺されたい。
私たちの関係が今のように変わった決定的な過去の出来事がある。
その出来事に恩義を感じているローゼルは、私を慕い、懐いてくれていた。
それが私はとても可愛い、愛らしいと思っていた。
昔は一切見せなかった、たまに見せてくれる眩しい笑顔。
思ったことを包み隠さずズバズバと言えるまっすぐさ。
わかりづらいけれど、確かにある優しさ。
気がつけば、私はローゼルに惹かれていた。
けれど、この想いをローゼルに伝えるつもりはない。
「エレノア?」
私をまっすぐと見つめる、美しい人。
私では彼に釣り合わない。
私には誰にも知られてはならない秘密がある。
特にこの人だけには知られたくない。
ーーー私が吸血鬼であるということを。