だからアナタに殺されたい。


小さな可能性でさえも諦められず、俺は己の足でエレノアがいそうな場所に何度も何度も赴いた。

街を一通り巡り終え、俺は最後にエレノアの家へと向かった。
いつものように今日こそはあの窓に灯りが灯っていることを祈りながら、エレノアの家を見る。
すると夢にまで見た光景が、俺の目に飛び込んできた。

小さな木造のシンプルな家…エレノアの家の窓から光が漏れ出ていたのだ。

ーーーエレノアがいる。

ここ1ヶ月の間で初めて見た灯りに、俺はそう確信した。

やっと彼女に会える。
そう思うだけで、壊れそうになっていた心がどんどん癒えていく。

ああ、やっぱり、俺には彼女が必要だ。

はやる気持ちを抑えて、足早に玄関へと歩みを進める。
それから喜びと期待を胸に、俺は玄関の扉をコンコンッとノックした。

ほんの少し時間を置いてから扉の向こうからパタパタとこちらに向かってくる足音が聞こえる。

会いたい、会いたい。
エレノアに、会いたい。

会いたい気持ちが限界まで高まる。
今か今かと、その瞬間を待ち侘びていると、やっと玄関の扉がゆっくりと開かれた。
…が、扉を開けたのは、エレノアではなかった。



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