『女神の加護を 受けし者は世界を救う』
③転:出発前夜
学園を卒業し、ここに来て数年。
そう同じ24時間。それが何を意味するのか。
王の元に来たのは、勇者ジークハルト。
背には弓と矢。遠距離。
魔法使いのマリー。
聖女として選ばれた私リセ。
側近の騎士フリック。近距離はフリックになるのだろうか。
学園に通ったのだから、魔法は使えるよね。
王子ユーリスは一緒に行くか迷っている。
多分、分岐。私の発言で何かが変わる。
連れて行くとすれば。
魔王を倒したとして、次期王を失う可能性も否定できない。
置いて行くとすれば。
火力を失う。
ユーリスは優柔不断。
答えは自分の中にあるものだと思って生きてきた。
迷って失敗して、もう二度とチャンスは来ないかもしれない。
それでも自分で選択して、決断してきたその結果。
次に生かせるか、同じ繰り返しか。
友達は、私と行きたいと言っていた大学に入れただろうか。
「リセ、君が行くから勇者と一緒に行くことにしたよ。」
「そう。ユーリス、覚えておいて。あなたが優先すべきは、魔王を倒した後の役目。王として、この国民を幸せにしてあげて欲しい。」
「リセ、ありがとう。きっと生きて無事に帰り、二人でこの国をもっと繁栄させようね。」
穏やかな笑顔。
私は目を細め、口元だけの笑みを返す。
この人に、何を言っても無駄だと思った。
旅支度を整え、出発前の宴。
学園のレジェス先生も呼ばれていたのか、私の元に来て。
収納カバンを手渡した。
これがウワサの異空間収納できるという便利な。
中には、旅の途中で飢える事のないほどの量の食料と水。
これは好感度でもらえるレアなヤツだろうか。
額にキスを受け、ちょっと汚いななんて我慢したのがコレになったのだと思えば報われる。
「先生、今まで沢山の教え。旅に必要な物まで。感謝いたします。ありがとうございました。」
「無事に帰っておいで。君の魔法、聖女としての役目は魔王討伐では終わらない。」
私は目を細め、笑顔を向けたつもり。
私をこれ以上、ここに留めるつもりなのかと。怒りが生じた。
そう同じ24時間。それが何を意味するのか。
王の元に来たのは、勇者ジークハルト。
背には弓と矢。遠距離。
魔法使いのマリー。
聖女として選ばれた私リセ。
側近の騎士フリック。近距離はフリックになるのだろうか。
学園に通ったのだから、魔法は使えるよね。
王子ユーリスは一緒に行くか迷っている。
多分、分岐。私の発言で何かが変わる。
連れて行くとすれば。
魔王を倒したとして、次期王を失う可能性も否定できない。
置いて行くとすれば。
火力を失う。
ユーリスは優柔不断。
答えは自分の中にあるものだと思って生きてきた。
迷って失敗して、もう二度とチャンスは来ないかもしれない。
それでも自分で選択して、決断してきたその結果。
次に生かせるか、同じ繰り返しか。
友達は、私と行きたいと言っていた大学に入れただろうか。
「リセ、君が行くから勇者と一緒に行くことにしたよ。」
「そう。ユーリス、覚えておいて。あなたが優先すべきは、魔王を倒した後の役目。王として、この国民を幸せにしてあげて欲しい。」
「リセ、ありがとう。きっと生きて無事に帰り、二人でこの国をもっと繁栄させようね。」
穏やかな笑顔。
私は目を細め、口元だけの笑みを返す。
この人に、何を言っても無駄だと思った。
旅支度を整え、出発前の宴。
学園のレジェス先生も呼ばれていたのか、私の元に来て。
収納カバンを手渡した。
これがウワサの異空間収納できるという便利な。
中には、旅の途中で飢える事のないほどの量の食料と水。
これは好感度でもらえるレアなヤツだろうか。
額にキスを受け、ちょっと汚いななんて我慢したのがコレになったのだと思えば報われる。
「先生、今まで沢山の教え。旅に必要な物まで。感謝いたします。ありがとうございました。」
「無事に帰っておいで。君の魔法、聖女としての役目は魔王討伐では終わらない。」
私は目を細め、笑顔を向けたつもり。
私をこれ以上、ここに留めるつもりなのかと。怒りが生じた。