「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 
 


「花守、洗面所のタオル。
 松山のみかんジュース屋で買ってたやつじゃないのか?」

 滝本の家に帰り、リビングで冷たいお茶を飲んでいると、廊下をやって来ながら、滝本が言う。

「そうですよ」

「お前、気に入ってたんじゃないのか」

「だから、この家で使おうかなと思って。
 見るたび、いろいろ思い出せるじゃないですか」

 楽しかったですね、松山、と環奈が笑うと、

「で、それをホワイトボードに書くのか」
と滝本が言う。

 例のホワイトボード日記帳だ。

 自分で振っておいて、
「すぐ消せる程度の思い出か」
と嫌味っぽく言うので、

「……油性マジックで書きましょうか?」
と環奈は言った。
 
 


< 138 / 328 >

この作品をシェア

pagetop