「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「花守、洗面所のタオル。
松山のみかんジュース屋で買ってたやつじゃないのか?」
滝本の家に帰り、リビングで冷たいお茶を飲んでいると、廊下をやって来ながら、滝本が言う。
「そうですよ」
「お前、気に入ってたんじゃないのか」
「だから、この家で使おうかなと思って。
見るたび、いろいろ思い出せるじゃないですか」
楽しかったですね、松山、と環奈が笑うと、
「で、それをホワイトボードに書くのか」
と滝本が言う。
例のホワイトボード日記帳だ。
自分で振っておいて、
「すぐ消せる程度の思い出か」
と嫌味っぽく言うので、
「……油性マジックで書きましょうか?」
と環奈は言った。