「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「おとなしく略奪されてくれ」
「何故……」
滝本の家にある自室のベッドでくつろぎ、アイスを食べていた環奈は固まる。
「喧嘩するほどではないが、しっくり来なかった同期と上手くいきそうなんだ」
と突然、部屋を訪問してきた滝本に言われる。
「……そのことにより、私と上手くいかなさそうですが」
まあ、気持ちはわかりますけど、と壁にクッションを立てて背を預けていた環奈は身を起こす。
滝本は部屋の中を見回し、
「すっかりお前の部屋だな。
くつろぎ切って」
と言った。
「はい」
と環奈は答えたが、滝本は、
「だが、俺の部屋の隣に住まないか?」
と言う。
「え?」
「今日、そういう設定で話してしまった。
一軒目、居酒屋。
二軒目、隠れ家カフェのどちらかで」
「どっちでですか。
なに嘘を広めてるんですかっ」
「大丈夫だ。
他の奴らには言わないと言っていた。
そのために配慮してくれて、他の同期は誘わなかったらしいし」
「いやいやいやっ。
居酒屋や隠れ家カフェで話したんでしょ?」
結構広まってそうじゃないですかっ、と環奈は言う。