「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「確かに本末転倒ですよね」
わしわし、舞茸をいただきながら環奈は呟く。
課長がよく冷やしてくれていた地酒が美味いっ、と思いながら。
「でも、タオルかけたくないのに、毎度かけようとはしてくれるなんて、課長いい人ですね」
と言うと、
「……お前の喜ぶ顔が見たいから」
と滝本は不機嫌そうに舞茸を食べながら言った。
「でも、喜ぶと三割増しくらい可愛く見えるから、やめておこうと思うんだが」
ちょっと嬉しくなって環奈は訊いてみた。
「三割増しくらい可愛く見えたら、誰くらいですか?」
環奈は芸能人で例えるなら、くらいの気持ちで訊いた。
「え?
……ああ、新浜さんくらい?」
私の可愛さ、男の人より、三割下っ!
その衝撃に、ちょうどいい感じに塩をつけた舞茸が箸から落ちそうになる。