「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「って、課長に言われたんですよね」
社食で環奈は麻沙子に、かなりソフトに滝本に言われたことを伝えた。
「なにそれ。
愛が芽生えたときが別れるときってこと?
ところで、今日のカレー、辛くない?」
「シェフが変わったんですかね?」
「これ、おばちゃんが缶のカレー、開けて煮てるだけだって聞いたけど」
「じゃあ、缶のカレー作ってるインド人が変わったんですかね?」
「え?
インド人が作ってるの?
缶詰工場で?」
バン、と斜め後ろの席で誰かがテーブルを叩いた。
成田悦子だった。
「あんたたちの話聞いてたら気が狂いそうだわっ。
そっち行っていいっ?」
と言いながら、もうトレーを手に立ち上がっている。
今日はひとりで食べていたようだ。
何故、気が狂いそうなのに、さらに近づいてくるのですか……。
麻沙子の隣に座った悦子は身を乗り出し、環奈に詰め寄る。