「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


「いや、そこで拭いてあげなきゃ」
「……とってあげなきゃ」
と西山と新浜は言う。

 隠れ家カフェで昨日のパイの話を滝本がしていた。

「じゃあ、二人ともそこで、それができるんですか」
と滝本は喧嘩越しだ。

 いいや、と二人は素直に首を振る。

「そんなことできたら、今、独身じゃない」
と西山が言い、新浜が頷いた。

 やはり、大事なのはイケメンであることより、マメなことなのだろうか?
と思いながら環奈は言う。

「あ、そうだ。
 今度、会社の先輩連れて来ますね。

 ここ来てみたいって言ってたんで」

 西山たちに言うと、滝本までが何故か嫌な顔をした。

「やめろ。
 この店が落ち着かない感じになる」
と滝本が言い、

「なんだかわからないが、嫌な予感がする」
と西山が言い、

「じゃあ、その日、店閉める?」
と新浜が西山に言う。

「環奈さん、その日、好きに使っていいから、この店」

 新浜にそう言われ、
「いや、それ意味わかんないですからっ。
 っていうか、客連れてくるって言ったら逃げるってなんなんですかっ」

 ほんとうにここはカフェなんですかっ、と言ったが、二人声をそろえて、

「いいじゃん。
 隠れ家カフェなんだから」
と言う。



< 158 / 328 >

この作品をシェア

pagetop