「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「いや、そこで拭いてあげなきゃ」
「……とってあげなきゃ」
と西山と新浜は言う。
隠れ家カフェで昨日のパイの話を滝本がしていた。
「じゃあ、二人ともそこで、それができるんですか」
と滝本は喧嘩越しだ。
いいや、と二人は素直に首を振る。
「そんなことできたら、今、独身じゃない」
と西山が言い、新浜が頷いた。
やはり、大事なのはイケメンであることより、マメなことなのだろうか?
と思いながら環奈は言う。
「あ、そうだ。
今度、会社の先輩連れて来ますね。
ここ来てみたいって言ってたんで」
西山たちに言うと、滝本までが何故か嫌な顔をした。
「やめろ。
この店が落ち着かない感じになる」
と滝本が言い、
「なんだかわからないが、嫌な予感がする」
と西山が言い、
「じゃあ、その日、店閉める?」
と新浜が西山に言う。
「環奈さん、その日、好きに使っていいから、この店」
新浜にそう言われ、
「いや、それ意味わかんないですからっ。
っていうか、客連れてくるって言ったら逃げるってなんなんですかっ」
ほんとうにここはカフェなんですかっ、と言ったが、二人声をそろえて、
「いいじゃん。
隠れ家カフェなんだから」
と言う。