「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


「なんかあれですね。
 課長の夢に私が出たりするんですねと思って」

 滝本にいらない、と言われたポッキ◯を女三人で昼休み、むさぼり食っていた。

 みんな今日は仕事が立て込んでいて疲れていたのだ。

 渡り廊下近くの長椅子に座り、もしゃもしゃ食べながら、悦子がヤケクソ気味に言う。

「夢にくらい出るでしょうよ。
 課長と付き合ってるんでしょ?」

「いや~、付き合ってはいないですね~」
と環奈は言ったが、悦子は聞いていない。

「こんな日はイケメンが見たいわ」

「社食に何人かいますよ」
と最後から二本目のポッキーを手に麻沙子が言う。

「新しいイケメンが見たいわ」

 麻沙子は沈黙した。

 勘のいい悦子が言う。

「あんた、なんか一人でいい思いしようとしてるわねっ」

 悦子に詰め寄られた麻沙子はちょっと身を引きながら言う。

「そ、そうかもしれませんけどっ。
 私より、環奈の方がいつもいい思いしてますよっ」

 あっ、いきなり、売られたっ!

 すっと悦子が最後のポ◯キーをとり、環奈に差し出す。

「これあげるから」

 もともと私のです。
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