「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 幸せの定義はいろいろだが。

 今も結構幸せだな、と環奈は思う。

 素敵な新築三階建ての家。

 近所にはいつも独創的な料理が出てくるうえに寛げる隠れ家カフェ。

 おまけにごく稀に現れる、まぼろしの猫もいる。

 そんな――

 ささやかな幸せ。

「おい、俺はっ!?」
と滝本が叫び出しそうな幸せな定義を心の中で語っていたが、

「あんたさっき、こうしてると、デートみたいですねって言ったんですよ~のあと、突然、ターキーの話に飛んだわ。
 なにかあったんじゃないの?」
と麻沙子に責め立てられる。

「いえ、別に」

 偽装結婚にも愛はいるって話ならしましたけどね。

 解釈に困っているので、省きました。

「美味しいですね、このお菓子」

「誤魔化したっ」
と麻沙子は叫び、

 なに揉めてんだ、という顔で、滝本がデスクから見ていた。






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