「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 



 終わる時間はバラバラだったので、デパートの一階で悦子が化粧品を眺めるのに付き合いながら、環奈は麻沙子を待つ。

「そういえば、なにを占うんですか?」

 さっきもらったサンプルを手に新商品の宣伝のチラシを熟読している悦子に、そう訊いてみる。

「恋占いに決まってるじゃない」

「ああ、平井さんとの未来とか?」

「平井くん?
 別れたわよ」

 悦子はあっさり、そんなことを言う。

「えっ?」

「ほら、私の言った通りじゃないっ」

 息を切らせて現れた麻沙子が身を乗り出し、そう言った。

「でも、さすがに昼付き合って、夜、じゃなかったですよ」

「……あんたたち、そんなロクでもないこと言ってたの?」

 一杯おごらせるわよっ、と言う悦子に首根っこつかまれ、エレベーターに乗せられた。

 

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