「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」



 一番喜んでくれたから、悦子さんにあげたときが一番嬉しかったな。

 ……私が一番好意を持っているのは、悦子さんになってしまうな。

 などと思う環奈の前で、滝本が呟いている。

「『わさび醤油でお召し上がりください』
 なに決めつけてんだろうな」

 課長は今日もちょっぴり面倒臭い。

 キッチンで滝本は豆腐のパッケージを眺めながら、文句をつけていた。

「あのー、課長。
 もし我々が結婚したらですね」

「……今更、結婚しないという展開があるのか」
とあの鋭い目で振り返られる。

 ……愛はないけど、結婚する契約にはなってましたね。
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