「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 いつも名簿で見るのだが、振り仮名は振ってないし、誰も名前で呼ばないので、正しい読み方はわからない。

 というか、想像はついているのだが、今はそこを避けたいというか……。

「……なんて読むんだと思う?」

「……ぎょうづき」

「無理やりがすぎるな」

「さとるげつ」

「むしろ、知識をひけらかしているのか」

「じゃあ、あかつきつき。
 ああっ、それだと、『き』が増えてるっ」

「……増えちゃいけないのか」

「実は――

 よく当たるらしい占い師さんに、『あ』と『き』がつく人物と恋に落ちるみたいなことを言われて」

「……お前の周りに、すでに三人もいるじゃないか」

「そうなんですよっ」

「だが、聖一は消えたな」

 まあ、占いですけどね、と思ったとき、滝本が言った。

「いいじゃないか、恋に落ちれば」

「誰とです?」
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