「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
出て行くとき、入れ違いの客を見て、平井と二人驚く。
「あっ、成田さん」
「あら、平井くん。
早速来てみたの?
あっ、占い師さーん、差し入れです~っ」
「あ……はい、ありがとうございます」
と困ったように占い師は笑う。
苦手なのだろうか、成田が。
いや、そんなに嫌ではなさそうだ――。
滝本は、さっきの平井に対するアドバイスを思い出していた。
『男性にグイグイ行くタイプなので、すぐに他の人に行きそうで不安になりますね』
あれは自分のことも言っていたのでは。
「占い師さん」
と滝本が呼びかけると、え? と占い師が見上げる。
「占い師さんも、勢いに任せて、素直になってみてもいいと思いますよ」
あ、ありがとうございます、と照れたように占い師は頷いた。