「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「そこは、あなたの相手には『か』と『な』がつくとか。
 そういう平和なアドバイスじゃないのかっ」

 思わず、口に出して言ってしまうと、ああ、と言った占い師は少し考えて言う。

「……あなたが幸せになるために必要なイニシャルは――」

 いきなり、イニシャルッ!?

「Y.KとかM.Tの人ですね」

 それ、宝くじが当たるイニシャル!

 面倒臭いことを訊かれたので、適当に宝くじが当たる人のイニシャルを言ったのかっ。

 それとも、宝くじを当て、さらなる金を手にしなければ、花守とは幸せになれないと言うことなのかっ。

 苦悩する滝本に占い師は言う。

「あの~、さっきも言いましたが。
 あなたは、もうちょっと素直になった方がいいと思います。

 あなたはとても頭のいい方ですが。
 ここぞというときに限って、行動に移す前に深く考えすぎる傾向にあるようです。

 せっかくいい流れだし、今いる相手の方も良い方のようなので、こういうことは勢いに任せて、流れてった方がいいですよ」

 人の良さそうな顔で言われ、占い師っ、と熱い友情を勝手に感じてしまう。

 これにハマってみんな来てしまうんだな、と滝本は思った。

 



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