「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
環奈はそっと鍵を開け、家に入った。
瀧本の家だ。
「こんばんは~」
と覗くと、滝本はリビングのソファで科学雑誌を読んでいた。
なんて言おうかな、と迷いながら、環奈はリビングに入る。
「課長がしたという占いの内容が気になって来てしまいました」
「……いや、なにも気にならなくても来い」
お前の家だ、と滝本に言われ、環奈は彼の横に座りながら言った。
「そう考えると、結婚ってすごいですね」
「なにが……」
ちょっと身を引きながら、滝本が言う。
なんだろうな。
告白されて気まずい、と思っていたのだが。
私の方がなんか警戒されている……。
「いえ、私、なにも頑張っていないのに、この家が手に入るとかっ。
玉の輿に乗りたがる人がいるはずですねっ」
「……ローンも残ってるけどな」
環奈は少し考え言った。
「じゃあ、払い終わってから結婚したら、玉の輿ですね」
「その頃、俺は結構な年だけど、いいのか」
「課長は幾つになっても格好いいですよ」
「……突然、なにを言ってるんだっ、お前は」
うろたえる滝本に環奈は言う。