「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
「ただの一般論です。
 ただ、課長はそんな感じの人なので、偽装と言えども、課長と結婚するのは心配です。

 きっと課長はいつまでもモテモテです」

「そんなことはない。
 女性に告白されたことなどない」

「しないでしょうね」
とあっさりと言って、

「……お前、今、モテモテだと言ったじゃないか」
と滝本に言われる。

「課長をいいなと思っている人はたくさんいますよ。
 でも、好きですとか言ったら、説教されそうなので、誰も告白してこないと思います」

「お前も、説教されそうだから、告白してこないのか」

 環奈は考えてみた。

「そうですね。
 なに言っても説教されそうですよね。

 まあ、どのみち、私、あんまり聞いてないんで」

 いや、上司の説教は聞け、という顔をされる。

「ずっと説教してきそうな人と暮らすとか、苦痛かな、とも思うんですが。

 なんででしょう?
 そう嫌ではないんですよね。

 この家にいるのも、心地いいです」

 一頻(ひとしき)りしゃべったあと、環奈はなにも映っていないテレビの画面を見つめた。
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