「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
しばらくして、環奈たちが空いて来た店内に入ったころ、悦子と麻沙子がバラバラとやってきた。
悦子はテンションが下がっている。
「クリスマスなのに、あの人の時間、四十五分しか買えなかった!」
「好きな人の時間買えるの、すごいですね」
と聖一が言い、
「四十五分って半端だな」
と滝本が言う。
「予約以外の客も長蛇の列で、延長できなかった!」
「カラオケか」
と酒をテーブル席に運びながら、西山が言う。
麻沙子が、
「クリスマスにそんな占いに並んでるの怖いですね」
と言うと、新浜が麻沙子に訊いた。
「……それ、なにを求めてなの?」
「来年のクリスマスを盛り上げるための愛ですかね?」
と麻沙子が言うと、
「……僕も行こうかな」
と聖一が呟く。
「環奈っ」
といきなり悦子が環奈に向き直り、両肩をつかんできた。
「あんたっ、お金も払わずに好きな人に会える幸せを噛み締めてっ!」
むしろいつも奢ってもらってるでしょうっ、と肩を揺さぶってくる。