「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


「……私は蜂に裏切られたのです」

 そう語り出す環奈に、

「おい、俳優にまで話すな」

 お前に愛のある俺だけが聞こうと思っていたのに、と滝本が言うと、西山が、

「じゃあ、俺も聞こうか」
と言い、新浜が、

「僕も聞くよ」
とカウンターまで出て来て言う。

 いや、新浜さんは料理作ってください……。

「じゃあ、それ聞いた僕も君を愛さないといけないね」

 おっとーっ。
 さすがに俳優様は微笑みを浮かべながら、すごいことをおっしゃるっ。

 わりと地味で落ち着いた役の多い人だが、間近で見ると、やはり、キラキラしいっ、と環奈は思っていた。

 いとキラキラしっ!

 ……まあ私の目にはそのキラキラした浩司さんより、課長の方が格好良く見えるんですけどね。

 これは欲目ではない、と思うこと自体が欲目なのかもしれないが。

 そう思いながら、環奈は続けて語る。
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