「暁月さんに絶対服従 ~隠れ家カフェの常連日記~」
 


 お風呂に入ったあと、三階に上がると、戸締りをしていた滝本に廊下で出会った。

「早く寝ろよ。
 叩き起こすぞ、明日は」

「はい」
と言ったが、滝本はなにも言わずにその場に立っている。

 なんだろう?
と環奈が思っていると、ようやく口を開いた。

「この世で自分が一番になれることなんて、そんなにないが――。

 お前の中の一番に俺はなりたい。

 俺の中では、いつでもお前が一番だから。

 ……成田だけじゃない。
 人間って、変わっていくもんなんだな。
 俺がこんなことを言うようになるとは思わなかった」

 腕を組んで立つ滝本は感慨深げにそう言ったあとで、一度目を閉じ、

「……あけましておめでとう」
と言ってきた。

「えっ? あっ、もう十二時過ぎてましたねっ」

 お風呂に入ったりしている間にいつまにか過ぎてしまっていたようだ。
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