婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
最近オープンしたばかりの商業施設は人が多く、離れないようにと私たちは手をつないで歩いていた。
正当な理由があるのに、ときめいてしまう私は本当に救いようがない。
この想いを自覚するまでどうやって彼と自然に過ごしてきたのか今では思い出せないし、これからどうやって振る舞えばいいのだろう。
「蕗、次はどこに行く?」
今後に考えを巡らせていた私の顔を彼が覗き込む。
至近距離に迫る面立ちにハッとして口を開きかけたとき、背後から彼の名前が呼ばれた。
「――向くん?」
「江口さん」
振り返った彼が目の前に立つ女性の名を呼ぶ。
すらりとした長身に涼しげなブルーのリボンブラウスに細身のパンツがよく似合っている。
「偶然ね、買い物?」
柔らかな口調と大きな目が特徴的な面持ちには見覚えがあった。
以前、瑛斗に絡まれて具合が悪くなった際に心配してくれた客室乗務員だ。
女性のそばには同僚らしき女性がふたりいて、琉生さんに会えて嬉しそうに頬を染めている。
婚姻届の提出と気づいたばかりの恋心に気を取られていたけれど、言わずもがな人気のある彼は立っているだけで人目を引く。
考えてみれば、百貨店内、宝飾店の店員やここですれ違う人たちからも熱い視線を向けられていた。
正当な理由があるのに、ときめいてしまう私は本当に救いようがない。
この想いを自覚するまでどうやって彼と自然に過ごしてきたのか今では思い出せないし、これからどうやって振る舞えばいいのだろう。
「蕗、次はどこに行く?」
今後に考えを巡らせていた私の顔を彼が覗き込む。
至近距離に迫る面立ちにハッとして口を開きかけたとき、背後から彼の名前が呼ばれた。
「――向くん?」
「江口さん」
振り返った彼が目の前に立つ女性の名を呼ぶ。
すらりとした長身に涼しげなブルーのリボンブラウスに細身のパンツがよく似合っている。
「偶然ね、買い物?」
柔らかな口調と大きな目が特徴的な面持ちには見覚えがあった。
以前、瑛斗に絡まれて具合が悪くなった際に心配してくれた客室乗務員だ。
女性のそばには同僚らしき女性がふたりいて、琉生さんに会えて嬉しそうに頬を染めている。
婚姻届の提出と気づいたばかりの恋心に気を取られていたけれど、言わずもがな人気のある彼は立っているだけで人目を引く。
考えてみれば、百貨店内、宝飾店の店員やここですれ違う人たちからも熱い視線を向けられていた。