婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
用事を済ませ戻った際にはカウンター席、テーブル席両方に来店客が増えていた。
「蕗、カウンター一番奥の男性のお客様に」
母から指示を受けてアイスカフェラテを運ぶ。
「お待たせいたしました。アイスカフェラテでございます」
グラスをテーブルに置いて視線を持ち上げたとき、手元の本から顔を上げた男性客と目が合った。
「ありがとう」
「……どうぞ、ごゆっくりお過ごし、ください」
見覚えのある、整った面立ちに驚きで声が詰まりかけた。
思わず見惚れそうになる自分を叱咤し、早足でカウンターに戻り、母に小声で尋ねる。
「お母さん、あの、カウンター席の男性って……」
「ああ、そっか、蕗と同じ会社の人だっけ、副操縦士の向くんよ。知り合い?」
「ううん、実際に会って話したのは今が初めて。親会社の人だけど、有名だから」
一年ほど前からたまにひとりで来店していたらしいが、私は全然気づかなかった。
母や常連客とはすでに顔見知りで、カフェが空いているときなどは会話もすると言われて二重に驚いた。
「蕗、カウンター一番奥の男性のお客様に」
母から指示を受けてアイスカフェラテを運ぶ。
「お待たせいたしました。アイスカフェラテでございます」
グラスをテーブルに置いて視線を持ち上げたとき、手元の本から顔を上げた男性客と目が合った。
「ありがとう」
「……どうぞ、ごゆっくりお過ごし、ください」
見覚えのある、整った面立ちに驚きで声が詰まりかけた。
思わず見惚れそうになる自分を叱咤し、早足でカウンターに戻り、母に小声で尋ねる。
「お母さん、あの、カウンター席の男性って……」
「ああ、そっか、蕗と同じ会社の人だっけ、副操縦士の向くんよ。知り合い?」
「ううん、実際に会って話したのは今が初めて。親会社の人だけど、有名だから」
一年ほど前からたまにひとりで来店していたらしいが、私は全然気づかなかった。
母や常連客とはすでに顔見知りで、カフェが空いているときなどは会話もすると言われて二重に驚いた。