婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
『いつも自分よりも相手の立場や感情を優先にして、全部の責任やつらい部分だけを引受けてしまう子だから。これを荒療治にして改めて自分の限界や弱さに気づいて、甘え頼れる人を見つけてほしいのだと』
 

淡々と語られた内容に息をのんだ。
 
祖母は私が真っ先に動くだろうと見越していたようだ。

人生は長く、ひとりではできない事柄のほうが多い。

周囲に心配をかけないよう、長女としてしっかりしなければと虚勢を張り続けてばかりの甘え下手な私を、祖母は誰よりも案じていたそうだ。


『強引すぎる策ですし、反対したのですが、こうでもしなきゃあなたは変わらないからと押し切られました。本当はしかるべきときに自分が直接諭したかったけれど、寿命には勝てないからと。そして瑛斗さんには自分を省みたうえで、機会を与えたいとおっしゃっていました』


『以前、お祖母ちゃんに蕗が安心して笑っている相手なら反対せずに認めてあげなさいって言われた記憶があるわ。無茶苦茶だけど、お祖母ちゃんらしいわね……きっと色々自信があったんでしょうねえ』
 

母が昔を懐かしむようにポツリと告げた。
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