婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
『お祖母ちゃん、蕗と自分はすごく性格が似ているってよく口にしていたの。頑なで、なんでもひとりで抱え込む自分が、お祖父ちゃんに出会って変わったってね。自分と同じように蕗の幸せを心配して願ってくれていたのね、きっと。瑛斗くんのこともね』
 

母の言葉に祖母の厳しくも温かい笑顔と口調を思い出す。

胸の奥が熱くなり、視界が滲む。

祖母の深い愛情と優しさが心に染み渡っていく。


『お祖母様は、娘ふたりと孫たち、皆の幸せを願われていましたよ』
 

そう弁護士は優しく締めくくり、また連絡しますと言い残し帰って行った。

カフェの出入り口で弁護士を見送る。

ずっと黙って隣りに寄り添っていてくれた琉生さんにそっと肩を抱かれた瞬間、こらえきれなくなった涙が頬を伝った。


【おめでとう、蕗】
 

穏やかな風とともに祖母の祝福が聞こえた気がした。
 
琉生さんに再会して縁を結べた幸運に心から感謝し、胸の内で祖母に何度も礼を伝えた。
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