婚活嫌いのパイロットは約束妻に恋をする
瑛斗は親族だし、なにより相続手続きなどで関わらざるを得ないため、完全に無視をするわけにもいかない。

琉生さんは不服そうだったが、極力関わらないようにする旨を彼に伝え、最低限の反応に留めるようにしていた。

最近は音沙汰がなかったのに、いったいなんだろうか。

止まない着信に警戒しつつ、恐る恐る応答する。


『……やっと出たな』


「瑛斗、なにか用?」


『蕗、まだあのパイロットと付き合っているのか?』


素っ気ない口調で、質問に質問で返してくる。


「だったら、なに?」


『お前はあの男に騙されているんだ。今すぐ別れろ』


「いきなりなにを言い出すの、琉生さんに失礼でしょ。そもそも騙されていないから」


『へえ、あいつのなにを知って言ってるんだ?』


いつものように小馬鹿にした従弟の言い方が鼻につく。


『世間知らずのお前に教えてやる。あいつには長年想っている女がいる。恩人とも言える大切な相手だそうだ』


衝撃的な告白に息をのんだ。

なにか返答しなくてはと思うのにうまく声が出せない。


『……知らなかったみたいだな。無理もない、あの男は上手く隠していたようだから』


「だったら、なんで瑛斗が知っているの……?」


動揺しそうになる心を必死に奮い起こし、無理やり声を絞り出して尋ねる。
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