君がくれた涙は、さよならのために
#01 欠けた月
泣けない私
いつからだろう。
笑うことで自分を守るようになったのは。
いつからだろう。
泣くことを忘れてしまったのは…。
*
廊下の壁に背をつけながら、白く曇っている窓ガラスをぼーと眺める。
ただ眺めているだけなのも暇で、ふらりと窓ガラスに近寄ると、少し冷たいガラスを指先でこする。
すると、寒そうな青空の真ん中で薄く光る、満月ではないけれどそれに近い月を見つけた。
「月…」
昼間から月が見えるなんて珍しいな、とぼんやり考えていると、職員室の扉が開けられて中からお母さんと先生らしき人が出てきた。
「瀬川凛々花さんね?初めまして。二年一組の担任の、松本咲良です。よろしくね」
ボブがよく似合っている若い女の先生…松本先生が、にこっと優しく微笑んできた。
愛嬌があって優しそうで、一瞬で生徒たちから好かれている先生だろうということがわかった。
「初めまして、瀬川凛々花です!季節外れの転校で緊張しているんですけど、二年一組のみんなと仲良くやっていけたらなと思ってます!」
笑うことで自分を守るようになったのは。
いつからだろう。
泣くことを忘れてしまったのは…。
*
廊下の壁に背をつけながら、白く曇っている窓ガラスをぼーと眺める。
ただ眺めているだけなのも暇で、ふらりと窓ガラスに近寄ると、少し冷たいガラスを指先でこする。
すると、寒そうな青空の真ん中で薄く光る、満月ではないけれどそれに近い月を見つけた。
「月…」
昼間から月が見えるなんて珍しいな、とぼんやり考えていると、職員室の扉が開けられて中からお母さんと先生らしき人が出てきた。
「瀬川凛々花さんね?初めまして。二年一組の担任の、松本咲良です。よろしくね」
ボブがよく似合っている若い女の先生…松本先生が、にこっと優しく微笑んできた。
愛嬌があって優しそうで、一瞬で生徒たちから好かれている先生だろうということがわかった。
「初めまして、瀬川凛々花です!季節外れの転校で緊張しているんですけど、二年一組のみんなと仲良くやっていけたらなと思ってます!」
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