響け!非日常のブリランテ
(どうしよう……。二人はこの問題を解いたら鏡の外に出られるのに!)

アントーニョとオルハンはまた喧嘩を始めようとしていた。リズが「お二人とも、やめてください!」と言ったところでその声は届かない。

(一体どうしたら……)

その時、リズの頭の中にフレーズとメロディーが浮かんだ。

(歌なら、あの二人に届く……?)

そんな小さな希望がリズの中に生まれた。リズは息を吸い込み、思い付いた言葉と音楽を歌う。


真夏の太陽 真冬の月 僕らは正反対過ぎるね


リズが歌い始めると、アントーニョとオルハンの動きが止まった。その表情は驚きに満ちている。

(歌声が聴こえているのね!)

嬉しさからリズに笑みが浮かんだ。そのまま歌い続ける。ゆっくりとリズの背後に何者かが近付いてきた。


家族未満 友達未満 恋人はもっとあり得ない
ピーナッツの


リズの口元が何かで覆われる。ツンとした香りを感じた刹那、リズの意識は途切れた。
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