純情*ライアー
Lesson*3 お名前呼んであげましょう
ここから、私と葛城くんの“練習”が始まった。
題して、“クズ城葵 本物化計画”。
レッスン日は毎週水曜、昼休み。
場所は例の踊り場。
ご飯を食べたら即集合。
今日はその記念すべき1回目の練習日だ。
「優里がこんな短いスパンで同じ人と会うのなんて初めてじゃない?
さすが葛城くん♡あーん、いいなぁー。」
「他とはちょっと違うかもね。」
ある意味。
「――じゃ、行ってくるね?」
テキパキと弁当箱を片付けて教室を出ていく。
廊下を一歩出たところで、黄色い声が行く手を阻んだ。
廊下を塞ぐ女子の群れ。
その中心はもちろん葛城くん。それと、もう1人。
「あっ、葉澄さーん!」
この声は葛城くんではない。
その隣で爽やかに笑う桐谷 爽の声だ。
アッシュグレーのスパイキーショート。
制服はほどほどな気崩し。
名前通りの絵に描いたような爽やか君。
葛城くんが女子にとって遊び人なら、
こっちはまさしく理想の王子様。
相入れなそうに見えるこの2人は、噂によると幼馴染らしい。