身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
「君と結婚したら毎日、甘いものが食べられるな」

 控えめにはにかむ彼の目の奥はきらきらと星が輝いているようだ。まるで好きなおもちゃを買ってもらえたかのような子供のようで、また愛おしさが募っていく。

「詩織がパティシエを目指しているのは知ってる。だから俺も応援したい。練習とかは前と変わらずしてくれていいから」
「あ、ありがとうございます……」
「うちの家事とかは、家政婦がいるから彼女達に頼むのだって可能だ」

 そこは翠一族。家政婦のひとりやふたり、いてもなんら不思議ではない。

「作りすぎも気にしないでいい。俺が全部食べる」
「いやいや……嬉しいですけど、でも食べ過ぎには気を付けてくださいね。糖尿病とか虫歯になったら大変ですから。佑太さん、お医者様ですし中々休めないでしょ?」
「ぐ……。父さんが言う言葉、そっくりそのまま言われるとはな」

 実際父さんは間食試食のし過ぎで時々虫歯になっている。試食は完成度を高めるのに必要不可欠ではあるのだが、何事も限度があるのはその通り。
 一応父さんは毎日のようにジムへ通って筋トレやウォーキングをしているけど、最近ちょっと太ったって言っていたような。

「期待、してる」

 クールで無愛想な人がそんなキラッとした目を向けて来るなんて反則ではないだろうか? うちの商品を食べてくれるのは嬉しいですけど、食べ過ぎには気を付けてくださいね。と嬉しさを押し殺しながら再度念を押したのだった。

< 29 / 91 >

この作品をシェア

pagetop