身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
「美水さんは美水さんで恋人がいると聞いた。だけど流は無視したんだ。美水さんを俺の元へ近づけさせて、俺と君の仲を引き裂いてあわよくば……を狙ったんだろう」
「でも流は私達が結婚したって聞いてるはずじゃ」
「家柄でゴリ押ししてどうにかなると思ったんだろうな。俺と詩織の仲はまだ公式発表されていない秘密のモノ。そこへ美水さんをあてがって令嬢と御曹司の結婚だ。君はそれを邪魔する泥棒猫だと騒ぐ事で政財界の世論を味方につけようとしたわけだと推測する。本当に読みと詰めが甘いな。思いつき行動した感が否めない」

 スイーツを語っている時と同じくらい早口で語り終えた後はふんと笑う彼を見て、絶対的な自信があるのが見て取れる。

「俺はどうなろうと君を手放したくないのでな。だって君と分かれてしまったら甘いものが食べられなくなるだろう?」
「え、あ……」

 ここに来てこんなセリフを言われたら……なんて表情をすればよいのかわからなくなる。

「いいか? 俺はスイーツなら何でもいいって訳じゃなくなったんだ。シュクレか君が作るものじゃないと美味しさを感じられない」
「佑太さん……そんな……お世辞なんて」
「お世辞でも何でもない。率直に意見を述べただけだが……不満か?」

 彼の美しく整った顔立ちが視界のほぼすべてを埋め尽くした。視線はものすごく熱くて鋭くて、私の心の奥まで貫き通すようなもの。
 ずるい。私、もう……。

「不満なわけない」
「そっか。ならよかった。と言いたいところだが、俺としては君の気持ちもちゃんと確かめたいのだが?」
「うっ……」
「先に述べておくが、俺は詩織のやりたいモノを尊重したいし、応援していきたい。君がシュクレを継いだり新たなお店をオープンさせる気持ちがあれば全力でサポートしたいと考えている。それに君が甘えたいと望めば時間が許す限りは全力で甘やかしたい」

 おそらく、私の両親とは違う。それを言いたいんだとは思う。
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