身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
 ここで知らされた事実に私は口を半開きにするより他ない。

「そ、それで姉さんは」
「勿論オッケーだと了承してくれた」
「まあ、そりゃあ……子供産む前提のものでしたし……」
「だが美咲さんにとってはウィンウィンではあるが、君に身代わりを頼むと言うのは罪悪感があったと聞いている。俺もそれは感じていた。どうなるかってな……」

 やはりそこは2人とも感じるものがあったんだ。
 複雑だけど……。

「えっと……翠家としては長女との結婚しか認めていなかったし子供が絶対欲しい。で、佑太さんとしては私が好き。姉さんは幸人先生が好き。だからこその密約って訳?」
「そう言う事だ。君を絶対に……絶対に手に入れるにはこうするより他なかった。詩織が他の男のモノになるなんて俺には耐えられない。詩織。騙す事になってしまって申し訳ない」

 言うや否や頭を畳に押し付けて土下座する佑太さん。
 確かにやり方としては少々強引だったかもしれないけど、そんなに私が好きだったなんて。

「ううん、大丈夫。佑太さんの愛はもう十分すぎる位伝わってきているから」
「詩織……」
「ははっ。いやあ。本当に佑太が詩織さんにべたぼれなのが伝わって来るよ」

 和三さんの豪快な笑いに、規矩さんもつられて笑う。

「完全に惚れてるな佑太。その気持ち、例えるなら生クリームたっぷりのホールケーキを10個積み上げたくらいは、大好きなんじゃないか?」
「父さん。その例えじゃ足りないな。せめて地球から月までの距離と言わないと」

 急にこっぱずかしくなってきた。のろけ話に体勢なんて無いので顔を赤く染めるしかできない。
 
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