極甘CEOと交際0日の仮初結婚 ~一途な彼の、初恋妻になりました~

*プロローグ*

 夕やけの帰り道で繋いだ手。きみの指先から、微かなふるえが伝ってきた。
 大丈夫だよ、ときみを見つめて、きみの瞳を濡らす涙を拭った。
 弟みたいだと、思っていた。

 だから――。

 三日月の夜に跪いて、きみがプロポーズをしてくれたとき。
 私は、目を丸くして驚いたはずだった。

 あの夜の私は、弟みたいなきみの愛を本気にしなかった。

 大人になった今、不意にあの夜を思い出す。
 きっときみ以上に、私を愛してくれるひとはもう現れない。
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