ながされて、絆されて、ふりむいて
「嘘だぁ〜!お嬢先輩だって人気なくせに!茅野さんだって恐れ多くて話しかけられないだけでしょ!」
「ないない。あ、涼名ちゃん、昨日言ってた合説対象先の大学リストは順調?」
「え、あ、あぁ!まだです〜!またリストについては相談させてください!仕事してきます!」
「はーい、ほどほどにね」
茅野凪、ひいてはイケメン好きな後輩を強引にデスクに戻らせて、わたしも一日をスタートさせる。
……と、そのまえに。凪のうれしいお話をわたし以外の誰かと共有したい。
涼名ちゃんをはじめ後輩たちには言えないし、同期にも先輩にも、わたしたちのことは言っていない。
実家が近い、くらいは知ってる人も多いけど、わたしが小学校から大学までエスカレーターだった(大学は外部を受験したけど残念賞だった)ということもあって、まさか昔から親しいです、なんて誰も思っていなかった。