ながされて、絆されて、ふりむいて
08.藍、きらきら


◻︎▫︎



──昨日はあのまま凪に背を向けて、家には行かなかった。べつに、追いかけて来てもくれなかった。



「おはよ、児玉さん」


「え、」



日本語訳、払う払う、の聞き慣れた電子決済のリズムはわたしのスマホからではなく、後ろから現れた人物のスマホから奏でられた。


ビル1階、青色のコンビニ。いつも通りカフェオレをセルフレジに通して会計をする、そのタイミングで電子音を鳴らす権利を奪われた。


スマホの間抜けな決済のメロディーと、わたし宛ての心地よいあいさつに鼓膜が揺れる。





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