ながされて、絆されて、ふりむいて
わたしは、凪の彼女じゃない。
凪は、わたしの彼氏じゃない。
きっと幾度となくされてきたであろう質問に、きみはどう答えるのだろう。
「妹みたいなもんだから。彼女じゃないです」
鼓膜を揺らした、聞き慣れた声色。ぎゅっと心臓が掴まれたように、暗っぽくて低い何かに支配されそうに澱む。
凪はわたしの恋人じゃない、幼なじみだ。家族以上に仲の良い唯一無二の存在。
だけど、だけどね。
──わたし、凪のこと、お兄ちゃんなんて思ったこと、一度もない。
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