この星空の下で、君に恋をした
「今日は、雲が少ない」

 先に話し出したのは、相沢くんだった。
 星の話になると、ほんの少しだけ言葉が増える人。

「昨日より、たくさん見える」

 私も空を見上げる。
 確かに、昨日より星の数が多い。

「……あれ、何の星ですか」

 指をさすと、相沢くんは迷いなく答えた。

「ベガ。夏の大三角の一つ」

「夏の……?」

「ベガと、アルタイルと、デネブ」

 淡々とした説明なのに、聞いていて不思議と心地いい。
 知識をひけらかす感じが、まったくしないからだ。
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